英語習得の科学

科学的に正しい英語学習法について紹介します!

多聴:やらないと損

こんにちは、Kentoです。今日は「多聴」についてお話しします。

ところで、皆さんは「多聴」という言葉を聞いたことがありますか?

「多読」という言葉はよく知られていますが、「多聴」はそのリスニング版です。

今日は、この多聴について詳しくご説明します。

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インプットとしての多聴

まず、多聴は非常に効果的です。

どんな効果があるのかというと、以前お話しした「インプットの重要性」に関わります。

 

英語を習得する上で、インプットは非常に大切です。

では、インプットをどうやって得るのかというと、読むか聞くかの二つしかありません。ここで、多聴が「聞く」方のインプットに該当します。

 

リスニングの学習方法には、もう一つ「精聴」があります。

精聴と多聴の違い

多聴は、その「内容」に意識を集中する一方で、

精聴は、「音声」や使われている「単語」に意識を集中させます。

シャドーイングやディクテーションなどが精聴に含まれます。

 

どちらも細かい部分に耳を傾けて聞き取る訓練です。もちろん精聴も大切ですが、インプットの「量」を増やすという点では、多聴の方が効果的です。

シャドーイングやディクテーションの場合、大体30秒から1分程度の音声を使って練習します。このような短い時間では、100〜150単語程度しかリスニングできません。そのため、インプットの量は比較的少なくなります。

一方、多聴を行うと、もっと長い時間、例えば15分間の音声を聞くことができ、シャドーイングやディクテーションと比べて、インプットの量が圧倒的に多くなります。多聴では、15倍以上の単語に触れることができるのです。

多聴のメリット

このように、多聴の最大のメリットはインプットの量が増えることです。特に、新しい単語を覚えるだけでなく、単語の使い方や意味が定着しやすくなります。さらに、単語の「コロケーション」(自然な単語の組み合わせ) を習得できるというメリットもあります。

例えば、日本語では「薬を飲む」と言いますが、英語では "drink medicine" ではなく "take medicine" と言います。このような自然な単語の組み合わせを、多聴を通して無意識のうちに身につけることができます。

また、逆に間違った単語の組み合わせを聞くと「なんか違う」と感じるようになります。これは、無意識の知識であり、暗示的知識とも呼ばれます。

処理スピードの向上

もう一つのメリットは、英語を処理するスピードが向上することです。特にリスニングが苦手な方は、音声を聞いても意味を理解するのに時間がかかり、その間に次の音声が流れてきてしまうことがあります。このような状況を防ぐためには、英語を聞いた瞬間に理解できるようにする必要があります。

多聴を行うと、処理スピードが向上し、聞いた内容をすぐに理解できるようになります。また、単語の自然な使い方や組み合わせを予測できるようになるため、次に何が来るかを見通せるようになり、さらに処理スピードが速くなります。

多聴の注意点

多聴には多くのメリットがありますが、いくつか注意点もあります。

理解可能な音声を使う

まず一つ目のポイントは、理解可能な音声を使うということです。理解できない音声をいくら聞いても、効果は期待できません。一般的に、90〜95%理解できる音声を使うことが理想的です。例えば、1分間の音声で知らない単語が1〜2個程度であれば適切です。

興味を持てる内容を選ぶ

次に、興味の持てる内容を選ぶことも重要です。興味のない内容を聞いていても、長続きしません。多聴は大量のインプットをこなすことが大事なので、つまらないと感じたら継続できません。そのため、できるだけ興味を持てる教材を選ぶことが大切です。

聞き流しは効果的ではない

また、多聴だからといってただ聞き流すだけでは効果が薄いことも知っておくべきです。適当に音声を流しながら聞くのではなく、しっかりと意識を向けて内容を理解しながら聞くことが大切です。

繰り返し同じ内容を聞く

さらに、繰り返し同じ音声を聞くことも非常に効果的です。理解できない部分がある場合、繰り返し聞くことで徐々に理解できる範囲が広がり、脳がより多くの英語を吸収していきます。英語の習得は、大量の理解可能な英語を脳に入れることで促進されるのです。

多読と組み合わせるとさらに効果的

多聴をさらに効果的にする方法として、「多読」との組み合わせがあります。スクリプトや台本を見ながら音声を聞くことで、リスニングとリーディングを同時に強化できます。これにより、文字と音を結びつける力が身につき、英語の理解がさらに深まります。

多聴の実践方法

多聴を実践する際には、隙間時間を活用するのがポイントです。例えば、通勤中や歩いているとき、買い物中など、耳が空いている時間を積極的に使うと良いでしょう。また、運動中や家事をしている最中にも、英語を聞くのは非常に効果的です。

おすすめの多聴教材

最後に、多聴におすすめの教材をいくつか紹介します。

まず、英検の過去問リスニング部分は公式ホームページから無料でダウンロードできるので、とても便利です。

www.eiken.or.jp

次に、Extensive Reading Centralというサイトもおすすめです。このサイトでは、多読用のテキストと音声を無料で利用できます。

www.er-central.com

また、Breaking News EnglishEllloというサイトもあります。どちらも無料でリスニング素材を提供しており、非常に便利です。

breakingnewsenglish.com

www.elllo.org

 

あと、手前味噌ですが僕も多聴多読用の教材を無料で配信しています。

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まとめ

今回は、多聴の効果とその実践方法についてお話ししました。多聴を取り入れることで、英語を英語のまま理解する力が向上し、処理スピードも上がります。さらに、英語を大量に浴びることで、単語や表現がより自然に身についてきます。

英語を効率的に学びたい方は、ぜひ多聴を習慣にしてみてください